八剣山トンネル旧道 その2
前回
ここは八剣山トンネルの東側、お手本のような新旧道の分岐点である。
旧道に行く前にトンネルを少し見ていく。
どこにでもありそうな普通のトンネル坑口である。延長は左の看板にある通り、760mである
はずなんだけどな~。
ちなみに反対側、トンネル西口の銘板には、「延長378.0m」と書かれており、合計すれば760mになるわけだが。特にトンネル内に特徴的な不連続があるわけでもなく、当然トンネル内分岐があったわけでもなく、なぜ銘板がこんなことになっているのかはまだ分かっていない。
閑話休題。旧道に戻る。
最初は何の変哲もない舗装路が200mほど続く。それを進むと、写真の分岐に出る。
直進は舗装路、右への分岐路は未舗装ダートである。分岐には「→八剣山登山口」と看板がある。旧道は登山道入り口を経由するので、ここからはダートを進む。
コメントに困るような、締まったダートを進む。途中で左に屈折しており、合計で300mほどで登山道入り口に到着する。
右に見える建物は「八剣山小屋」と名付けられている。それ以外には特に何もない登山道入り口広場である。
広場を通過し、「登山口」のアピールが見えると同時に、正面の封鎖が確認できる。あの柵から先が廃道だろう。
遠目にはしっかり道をふさいでいるように思えた白い柵だったが、近づくと脇が甘いことがわかる。
誰か(何か?)が継続的に通行しているようで、軽く跡ができている。
それはそうと、この通行止め標識だが、
左下のものが古くなり何だかわからなくなったので、新しいものも設置したようである。ここがいつから通行止めなのかはわからないが、札幌市道路台帳で現役となっている以上は、一応この程度の管理はするということなのだろう。
さて、柵をすり抜け奥へ進む。
やはり何者かが通行していることは間違いないようである。はっきりとシングルトラックが刻まれている。柵からまだ30mも来ていないが、すでに前方が明るい。
特に遺構もなく、左に開けた場所に出た。写真真ん中あたりからは舗装がされており、ここまではトンネル開通後に廃道化工事がされたのかもしれない。
割としっかりとした基礎もあり、厚さは30cm以上はあるだろうか、鉄筋が飛び出している箇所もあった。
それに比して幅は狭い。ガードレールもなく右の限界も草に埋もれているため、どの程度あるのか判別し辛いが、軽自動車同士のすれ違いもできないだろう。左は斜度60度以上、高低差30mの崖で豊平川が迫っており、右は
これもまた急斜面の岩場である。退避設備はなかっただろう。
そもそもがけ崩れに対する備え、例えばロックシェッドだったり防護柵だったりといったものが全くない。だからこんな大きな落石もど真ん中に転がっている。
舗装はこの落石の先でがけ崩れに呑まれて見えなくなる。
大量の落石の下敷きになっている。その先は、
木で何が何だか分からないが、崩れてきた岩石によって完全に崖となっている。
一応高巻きをすれば通過できそうな岩場だったが、この崩れは全く安定していないと考えてここまでにした。というのも、このあたりの航空写真は2016年と2020年のものがあるのだが、その二つを見比べるとそう考えざるをえないからである。
一枚目が2016年、二枚目が2020年のものである。崖そのものは緑に覆われてわかりずらいかも知れないが、川幅の狭まりようを見れば崩壊は明らかである。これを出発前に知っていたため、今回は通過はしないことにした。
というわけで、まだ反対側(西側)区間が残っているが、探索後に追記する。
(一旦終わり)